相場は「時間軸」「通貨の選び方」「イベント対応」の三点で9割が決まります。
本記事では、私が実務で使う“勝ち筋”を、初心者にも伝わる言葉で、かつ中上級者がすぐ運用できる粒度でまとめました。
結 論
- 時間軸を先に固定:戦術は“足”に従う(1分/5分=機敏、1H=バランス、日足=鈍感力)。
- 通貨は2つに絞る:流動性・ボラ・スプレッド・時間帯の癖で“合う通貨”を見極める。
- イベントは3部制:発表前はポジ軽く、中は追わない、後に「事実→解釈→行動」で乗る。
- 地形に逆らわない:移動平均(例:EMA20/80/200)の傾きと整合した方向でのみ勝負。
- 損切り先行:エントリー前にストップを置く。目安は直近の押し安値/戻り高値の“外側”またはATR×1.2
1. 時間軸の決め方:戦術は“足”に従う
まず時間軸(タイムフレーム)を固定しないと、根拠が拡散して勝率が落ちます。私の基本は「メイン1つ+補助1つ」。下の表は実務での使い分けです。
| 時間軸 | 主目的 | 見る指標 | コア注意点 |
|---|---|---|---|
| 1分・5分 | スキャ/イベントの瞬発 | EMA20/80、直近高安、出来高 | スプレッド悪化とノイズ。指標直前は新規NG。 |
| 1時間足(メイン) | デイトレ〜スイングの軸 | EMA20/80/200の傾きとパーフェクトオーダー | “地形”に逆らわない(傾きが命)。 |
| 日足 | 大局/需給の背景 | 週足トレンド、水平ライン、イベント週 | 短期の逆行は“誤差”。鈍感力で握る。 |
メモ:
迷ったら1時間足を軸に、短期は“入口の微調整”、日足は“背景”と割り切る。
迷ったら1時間足を軸に、短期は“入口の微調整”、日足は“背景”と割り切る。

初心者くん
足をコロコロ変えると、根拠がズレて負けが増えるんですね…。

くろちゃん
そう。“足に戦術を合わせる”がコツ。足が主語、手法が述語。
2. 通貨の選び方:流動性×ボラ×時間帯で“適合”を見る
「たくさんやるほど勝てる」は錯覚。最大2通貨に絞り、癖を体に入れます。以下の評価マトリクスを使うと、相性が数値化できます。
| 通貨 | 流動性 | 平均ボラ | スプレッド | 時間帯の癖 | 総合(◎/○/△) |
|---|---|---|---|---|---|
| USD/JPY | ◎ | ○(トレンド日が明確) | ◎(狭い) | 東京/NYで素直 | ◎ |
| EUR/USD | ◎ | ○ | ◎ | 欧州〜NYが主戦場 | ◎ |
| AUD/JPY | ○ | ○(トレンド持続) | ○ | アジア時間で動意 | ○ |
選定ルール(保存版)
- 時間帯固定(東京 or 欧州NY)。
- 通貨は最大2つ(癖を掴む)。
- 入口=MA20/80・直近高安・出来高のうち2条件合致でのみ入る。
- 損切=直近押し安値/戻り高値の外 or ATR(14)×1.2(先に置く)。
3. イベント対応:前・中・後の三部制で事故らない
| フェーズ | やる事 | NG例 |
|---|---|---|
| 前(前日〜直前) | ポジ軽量化。想定シナリオを3本用意(強・中立・弱)。ボラ拡大に備え指値/逆指値再確認。 | 直前エントリーで“博打”。 |
| 中(発表〜数分) | 原則“見送り”。初動は流動性が薄く、スリッページが極大。 | スプレッド拡大中の成行。 |
| 後(数分〜数時間) | 「事実→解釈→行動」へ落とし込み。ゼロライン上のMACD GCや、EMA20/80の順行を確認して“値打ち付け”。 | 逆張りの飛び乗り。 |
例:雇用統計が弱かった
- 金:上昇しやすい/ドル:弱含みやすい
- 株:利下げ期待 vs 景気減速の綱引き
- 対応:ドル売り方向の“順張り”候補を、EMA傾き+MACDヒストグラム拡大で裏取り
4. エントリー設計:地形×滑走路×RR
- 地形:EMA80/200の傾き(上昇/下降)と価格位置(上/下)。逆らわない。
- 滑走路:EMA20の反転。上昇ならMA20が上向きに転じるタイミング。
- RR:最低でも1:1。できれば1:1.5〜2。ストップは先に置く。
チェックリスト(保存版)
- 時間帯は固定したか?(東京 or 欧州NY)
- 通貨は2つ以内?(合う通貨のみ)
- 入口条件:MA20/80・直近高安・出来高のうち2つ合致?
- ストップ位置は先に置いた?(直近の押し安値/戻り高値の“外” or ATR(14)×1.2)
- イベント前は新規を建てない/保有は縮小した?
5. 週次ルーティン:型で回す(テンプレ)
週初(月)
- 週間イベント確認(指標・要人・要決算)。
- 通貨ごとの“大局”を日足で点検。
- 1Hの候補ライン作成(水平/トレンド)。
平日(毎朝)
- 前日の値動き3行要約(事実→解釈→行動)。
- 候補通貨のMA傾き&MACD確認。
- イベント有無で戦術調整(建玉軽重)。
イベント当日
- 前:ポジ軽く、シナリオ3本。
- 中:原則見送り。
- 後:テクニカル裏付けで順張り。
週末(振り返り)
- 勝ち/負けの“型”分析(入口・出口・地形)。
- RR/滑走路/イベント対応の再点検。
- 来週の“やらないこと”を1つ決める。
6. ミニ・ケース:順張りが“効く”日の考え方
- 日足:上昇基調。
- 1H:EMA80/200が上向き、価格は両者の上。
- イベント:インフレ指標がやや弱(ドル売り)。
- 戦術:押し目→MA20再上向きで“滑走路”確認、直近安値の外にストップ。
7. “あるある”失敗と対処
| 失敗パターン | 対処の一手 |
|---|---|
| 足をコロコロ変える | メイン足を宣言し、補助の役割を限定。 |
| イベントに突っ込む | “前・中・後”の三部制に固定。 |
| 損切りが遅い | 事前ストップ&RR基準で自動化。 |
8. まとめ:軸を作れば、待てるし、切れる
時間軸→通貨選定→イベント対応の順で“軸”が通れば、待つ根拠と切る勇気が生まれます。
明日からは、「メイン1足+通貨2つ」の設定から始めましょう。
免 責
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定銘柄・通貨・商品の売買を推奨するものではありません。最終判断はご自身の責任にてお願いします。

