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チャートは“時間”で勝つ——自分にあった時間足の選び方

2. テクニカル分析
要点3つ:
① 最適な時間足は「生活リズム×資金×メンタル」で決まる。
② 1つの“基軸時間足”+上位/下位の3階建てが安定する。
③ 期待値は“合う時間足”で最大化、合わない時間足では同じ手法でも負ける。

1. まず結論:時間足は「生活」「お金」「性格」で決める

  • 早く結果が欲しい人ほど短期へ惹かれますが、ノイズ増・手数料増・疲労増で継続が難しくなりがち。
  • 忙しい社会人・家事育児あり → 4時間足〜日足が現実的。
  • 大きく獲りたいが含み益/損に動揺しやすい → 1時間〜4時間足で練習。
  • 資金が少なくても増やしたい → 短期は危険。まずは日足ベースで勝ち方を体得するのが最速です。

時間足マップ:保有期間と相性早見表
時間足 想定保有 強み 弱み 向いている人
1分/5分 数分〜数十分 回転が速い・機会多い ノイズ過多・スプレッド影響・疲労 板/約定に慣れた上級者、監視時間長い人
15分/30分 数十分〜半日 ノイズ減、機会も十分 イベント直後は乱高下に巻き込まれやすい 半日単位で張れる兼業デイトレ
1時間 数時間〜1日 トレンド把握しやすい/疲労少 手仕舞い遅れで反転を食らうことも 夜だけ見れる社会人、FX/先物デイトレ
4時間 1日〜数日 騙し減・判断回数少なめ 機会は減り、退屈に感じることも 本業ありのスイング、中期で増やしたい人
日足 数日〜数週間 期待値安定・手数料影響小・心理負担小 エントリー機会は少ない 初心者〜中級者の基本形、兼業全般
週足 数週間〜数ヶ月 大局順張り・裁量ミスが減る 含み益/損に耐える力が必須 長期投資家、忙しい経営者/会社員

2. タイプ別おすすめ時間足

  • 平日は21:00–24:00だけ見られる → 基軸:1時間、方向確認:4時間/日足、エントリー微調整:15分
  • 相場は朝にチェック派 → 基軸:日足、方向:週足、分割利確/損切は4時間で管理
  • イベントの値動きが怖い → 短期は避け、4時間〜日足で「イベント後の方向確定」を待つ
  • メンタルが揺れやすい → 判断回数を減らす=時間足を伸ばす(4時間/日足)

3. 3ステップ自己診断

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3ステップ自己診断:あなたの“合う時間足”を決める
  1. 参加時間帯:いつ画面の前に居られる?(平日/土日、朝/昼/夜、1日合計何分) 現実ベース
  2. 資金&1回の許容損失:総資金はいくら?1トレードの損失は資金の何%まで?(目安0.5〜1.0%) R管理
  3. 性格:早い決着が好き/待てる、含み損に弱い/強い、記録を続けられる/苦手 メンタル適合

基軸時間足を1つ決める(例:1時間 or 4時間 or 日足)。

→ 上位(倍〜4倍の時間足)で方向確認、下位(1/3〜1/4)でエントリー精度UP。

4. マルチタイムフレームの使い方

マルチタイムフレームの使い方(3階建て)
方向(上位)
日足でトレンド / レジ・サポを確認

上位(例:日足)で上昇・下降・レンジを判定。主要な支持/抵抗を引いて“行き先”を決める。

例:高安の切り上げ/切り下げ、200MA、週足レベルのラインなど。
設計(基軸)
4時間でシナリオと損切幅を設計

基軸(例:4時間)で押し目/戻りの候補、利確・損切位置、ATR等で幅を決める。

例:ATR(14)×1.2、直近押し安値/戻り高値の外にストップ。
実行(下位)
30分でトリガー

下位(例:30分)で押し目・戻り目の反転シグナル(ブレイク/プルバック/ローソク足)で発射。

例:直近高安ブレイク、MA20反発、ピンバー/包み足での反転。
コツ:上位と逆向きの下位シグナルはスルー。整合が取れた時だけ撃つ。

5. 具体ルール雛形

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具体ルール雛形(自分仕様へ)
デイトレ

1時間基軸:回転と再現性のバランス

方向
4時間の高安切り上げ/切り下げを確認。
入場
1時間でMA(20/50)クロス直近高安ブレイク
損切
直近押し安値/戻り高値の外 or ATR(14)×1.2
リスク
1回=資金の0.5〜0.8%1:1到達で半分利確、残りは伸ばす。
イベント前は建玉を軽く。方向が出たら再エントリーで期待値を確保。
スイング

4時間基軸:忙しい兼業の主力

方向
日足の上昇/下降トレンドを前提に順張り。
入場
4時間で押し目/戻り売りの反転足(ブレイク/プルバック)。
損切
日足レベルの転換否定で撤退(構造が崩れたら即カット)。
リスク
1回=資金の0.7〜1.0%。伸びたらトレールで利を追う。
利確は分割+トレールの併用で「伸びる波」を逃さない。
中期

週足/日足:大局で獲る

方向
週足のトレンド日足でタイミングを計る。
入場
日足の支持/抵抗からのパターン(ブレイク&リテスト等)。
損切
週足の構造否定で撤退(重要安値/高値の明確ブレイク)。
リスク
1回=資金の0.5〜0.7%。保有が長い分、記録徹底で感情管理。
ニュース・決算・金利イベントの前後でポジションサイズを見直すこと。

6. 失敗あるある → こう直す

  • 短期で疲弊:勝率が落ちている時は時間足を一段上げる
  • イベントで狩られる事前に建て玉軽く、発表“後”の方向一致で再参入
  • 利確が早すぎる:上位のトレンドが続く限り、半分利確+半分はトレール

7. 目標利益額と時間足の整合

  • 月5〜10%を短期で狙うほど難度は跳ね上がる
  • 目標=時間足×勝負回数×平均リスクリワードで現実化。
    • 例)4時間基軸、月8回、RR 1.5、勝率50% → 期待値+2R/月 ≒ 資金の+1〜1.6%/月(R=1回の許容損失%)
初心者くん
初心者くん

夜しかチャートを見られません。どの時間足から始めれば?

くろちゃん
くろちゃん

1時間を基軸に、4時間で方向15分でタイミング。この3階建てで“ぶれない売買”を身につけよう。


8. チェックリスト

 ⬜︎ 基軸時間足は?(1時間 / 4時間 / 日足 など)
 ⬜︎ 上位・下位の組み合わせは?(例:日足⇄4時間⇄30分)
 ⬜︎ 1回の許容損失%(0.5〜1.0%)
 ⬜︎ イベント前の建玉ルール(軽く/ノーポジ)
 ⬜︎ 取引記録(勝ち負けの“理由”を1行で)


9. まとめ:時間足は“戦い方”そのもの

 同じ手法でも、合わない時間足では負けます。
 生活と性格に合う時間足を基軸に据え、上位/下位で補強。これが、くろちゃんが「市場に残り続ける」と感じる勝ち方です。

くろちゃんは4時間足を基軸に、日足で方向確認、30分でタイミングを取っています。
1回の許容損失は資金の最大1%。イベント前は建玉軽く、伸びたら半分利確+半分トレール。
“合う時間足”を決めてから、期待値が安定しました。

免 責

 本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定銘柄・通貨・商品の売買を推奨するものではありません。最終判断はご自身の責任にてお願いします。