マーケット

ポジポジ病の断ち方──“待つ力”がいちばん強いエッジ

1. 投資日記

ポジポジ病に勝つ投資術:「触らない日」が資金を増やす

プロの視点で結論を言うと、勝率よりも“打席選び”がすべてです。エッジ(期待値)の薄い場面で触らない勇気は、最良のリスク管理。この記事では、「根拠の合流(コンフルエンス)×R/R(リスクリワード)」を軸に、今日から実行できる具体ルールに落とし込みます。

  • 見送る=守るトレード(機会損失より資金毀損の回避を優先)
  • 入らない日は勝ちに近づく日(エッジの薄い賭けを引かない)
  • 記録が衝動を鎮める(ノート>ポジの原則)

1. 今日は“触らない”を練習(トレードより先にノート)

画面を開くたびに指がうずく——その瞬間こそノートだけ開く根拠が複数揃わない限りは成行を押さない。エントリーは「正解」ではなく、条件を満たした“結果”にすぎません。

「ノートを増やして、トレードを減らす」これが資金曲線を滑らかにする最短経路


2. ポジポジ病の正体(症状→原因→処方箋)

症状 原因 即効の処方箋
値動きがないのにクリック 退屈・不安の解消行動 時間割(寄り後/欧州入り/NY入りのみ監視)に固定
シグナル1個で突入 根拠の薄さ 最低3点合流が出るまで「見送り」ルール
都合の良い足だけ拡大 確証バイアス 上位足→下位足の順で確認、逆順はしない
連勝後にロット肥大 リスク感覚の麻痺 1トレード=口座の0.5%で固定。勝っても増やさない
※スマホで窮屈な場合は横向き表示がおすすめです。

処方の核心:「根拠が複数揃うまで待つ」「見ない時間をスケジュールに入れる」


3. “根拠”3点セット(コンフルエンス)

テクニカルアナリストとして、私は最低3点の合流が出ない限り入りません。

  1. 環境認識:トレンド or レンジ(例:EMA20 > EMA80なら上昇基調)
  2. プライスの位置:押し目/戻りの帯(例:上昇ならEMA20〜前回高値手前
  3. 引き金シグナル:ローソク/出来高/オシレーターの点火

    例)上昇相場で20EMAタッチ→陽線包み→前日高値ブレイク

    条件)R/R≧2.0、損失は口座0.5〜1.0%以内

トレンド × 位置 × シグナル=エントリー可
どれか欠けたら──見送り


4. 相場を“見ない勇気”の作り方(行動で設計)

  • 時間割:監視は「場の区切り」だけ(寄り後30分/欧州入り/NY入り)
  • アラート:価格到達・出来高急増のみ通知。条件未達は画面を開かない
  • 回数制限:1日0〜2回に枠を設定
  • 事前記入:入る前にチェックリストへ記入→衝動が弱まる
  • ノート>ポジ:見送り理由を1行で残す(“見送り”も実績)

5. 攻略法(くろちゃん流・ルール例)

上昇相場(EMA20 > EMA80)

  • 20EMAタッチ → 陽線包み前日高値越えIN
  • 損切:直近スイング安値 or ATR(14)×1.5 の広い方
  • 利確:R=2到達で半分、残りは20EMA割れで手仕舞い

下降相場(EMA20 < EMA80)

  • 20EMAタッチ → 陰線包み前日安値割れIN
  • R/R管理:上昇時と同じ基準(R=2で部分利確)

ノートレの条件(明確に“触らない”)

  • EMA20とEMA80が横ばいで密着=レンジ濃厚 → 触らない
  • 主要指標の前後30分は原則見送り

サイズ規律:1トレードのリスクは口座の0.5%に固定。
勝っても増やさない=破綻確率を下げる武器


6. チェックリスト(1つでも“いいえ”なら見送り)

  • トレンド(20/80の傾きと位置)は明確? …… はい/いいえ
  • プライスは押し目/戻りの“位置”にいる? …… はい/いいえ
  • 引き金シグナル(包み足・ブレイク等)は明確? …… はい/いいえ
  • R/R≧2、リスク≦1%を満たす? …… はい/いいえ
  • 指標・イベントの影響は? …… クリア/見送り

1つでも“いいえ”なら見送り。ノートに理由を1行。


7. 明日の自分へ

「根拠が3つ揃うまで、ノートに手を伸ばせ。」

“見送って助かった”を1回、必ず記録。」

触らない日が、今月のプラスを作る。」


免 責

 本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定銘柄・通貨・商品の売買を推奨するものではありません。最終判断はご自身の責任にてお願いします。