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2025年9月の相場総括:金が主役、米株は異例の強さ、為替は円安継続

1. 投資日記
サマリー
金が史上高値圏、月間+11%超の急伸。利下げ観測と政策不確実性で資金流入。
・米株は“9月効果”を逆行、S&P500 +3.5%、ナスダック +5.6%と続伸。
・為替は円安基調が続き、米利下げ開始観測の中でもドル/円は上値試しが続く。

1. マクロ:9月の焦点(インフレ×政策×景気)

  • 米CPI(8月分、9/11発表):前月比+0.4%、総合前年比+2.9%、コア+3.1%。ガソリン・保険・中古車の伸びが重石で、「ディスインフレ鈍化」が意識されました。
  • FOMC(9/17):0.25ptの利下げでFF4.00–4.25%レンジへ。「なおやや引き締め気味」のスタンスを維持しつつ、先行きはデータ次第で追加利下げの余地。
  • ユーロ圏インフレ(9月フラッシュ):前年比2.2%へ小幅上振れ。「再加速の芽」が意識され、ECBの利下げペース観測にブレーキ。
  • 日本:東京都区部CPIは伸び一服、日銀は慎重姿勢を継続(9月会合の意見要旨)。関税・外部要因の不確実性も議論。

メ モ
9月は「物価が目標に素直に近づくか/景気が持つか」の二兎を追う展開。結果、金は買い・株は選別上げ・為替は円安という“ミックス相場”に。


2. 主要アセット月間ハイライト(2025年9月)

2-1 株式:米株が“悪月”返上、日本株は高値圏キープ

  • 米国S&P500 +3.5%ナスダック +5.6%で、15年超ぶりの強い9月。小幅利下げと景気の底堅さが追い風。
  • 日本日経平均は9/9に初の44,000台を突破後も高値圏推移(9月に史上高値圏を更新)。政策・関税観測が支え。
  • 欧州:インフレ鈍化からの鈍い再加速が重し。セクターではディフェンシブ・資源が相対強。
指数9月騰落率トピック
S&P500+3.5%「悪月」返上、年末ラリー観測
ナスダック総合+5.6%メガテック持ち直し
日経平均高値圏(44,000台突破)関税緩和観測・政策期待
TOPIX高値圏広く物色、バリュー/金融も底堅い
※米株の月間は報道ベース。日本株は高値更新・高値圏推移

2-2 金利・為替:円は上値抵抗試しつつ円安基調続く

  • ドル/円:9月はレンジ上限突破を試す上昇局面が続き、円は5週続落ペースとの指摘。米利下げ開始でも日米金利差は大。

2-3 コモディティ:金が主役、月間+11%超の急騰

  • 金(ゴールド):史上高値圏(3,870$/oz付近)まで上昇。9月月間+11.5%四半期+16%超米利下げ観測・政府機能停止懸念などの“安全資産需要”が追い風。
  • :月間+17%と追随上昇(ただし月末は利食いで反落)。
  • 参考データ集:月次パフォーマンスはWorld Gold Councilのデータポータルも便利。

2-4 暗号資産:BTCは11万ドル台で保合い、ETHは4,000ドル台キープ

  • ビットコイン(BTC):月間は概ね横ばい~小幅高(平均終値約11.31万ドル、データ集計ベース)。11万ドル台での“持久戦”が続く。
  • イーサリアム(ETH)4,000ドル台を維持しつつ、8月の強さを引き継ぐ形。ETH系の資金流入・ETF効果の言及も散見。

3. 9月の主なイベント(抜粋)

日付出来事市場インパクト
9/9日経平均が44,000台を初突破日本株強気継続の象徴に
9/11米CPI(8月)
総合+2.9%、コア+3.1%
利下げ加速観測にブレーキ
9/17FOMCが0.25pt利下げ(FF4.00–4.25%)「なお慎重」示唆で過度な緩和期待は抑制
9/末ゴールドが史上高値圏、月間+11%超金主導でコモディティ上昇
月内ユーロ圏インフレが2.2%ECBの連続利下げ観測に慎重論

4. 作戦メモ(初心者〜中上級)

① 金:分散の“核”に戻る
・金ETFや積立で「比率を決めて機械的に」——上がったから増やすではなく、ポートフォリオのリバランスで淡々と。
・金鉱株はボラ高。現物・ETFと役割分担を。

② 株:米=広く、日=二刀流
・米:S&P広く+テーマは“過度集中の逆張り”で小型・バリューも一部。
・日:トピックス(広く)+個別の成長株。為替敏感(輸出)も押し目拾い。

③ 為替:ドル/円は「押し目待ち」
・利下げ局面でも実質金利差とリスクオフ時のドル需要で円安持続の余地。逆指値は必ず。

④ クリプト:メリハリ
・BTCは11万ドル台の膠着、ETHはETF・需給が支え。積立+イベント前後の過熱回避が基本。

5. 今月の“ひとこと”

くろちゃん
くろちゃん

「悪月と言われる9月でも“強いところは強い”。金の新高値は“インフレと不確実性”の鏡。
米株は利下げ開始を織りつつ、景気の底堅さが支え。焦らず、配分と逆指値で“生き残る投資”を。」


参考ソース(主要ポイント)


免 責

 本記事は一般的な情報提供であり、特定銘柄・商品・暗号資産の推奨を目的としません。投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家へご相談ください。