- 初心者の土台は「板が厚く・値動きが素直」なメジャー:USD/JPYかEUR/USD。
- スワップ狙いはAUD/JPYやUSD/JPY(買い持ち基調)だが、金利サイクル転換の反転リスクは常に意識。
- 値幅狙いの短期はGBP/JPY / GBP/USDなど高ボラ。ただし損切り設計を先に決める。
1. “自分の勝ち筋”を決める
まずは“勝ち筋”を決める
=戦略 × 通貨 × 時間帯
「合う通貨=勝ちやすい通貨」。自分の取引時間・リスク許容・狙い(値幅 or スワップ)で選ぶ。
① スイング(トレンド追随)
- 相性:USD/JPY・EUR/USDなど素直なトレンド
- 軸:MA/高安更新+RR≥1:1 の押し目・戻り
- 注意:イベント跨ぎは建玉縮小
② デイトレ(イベント&時間帯)
- 相性:EUR/USD・GBP系(欧州〜NYで出来高)
- 軸:重複時間のブレイク/指標モメンタム
- 注意:損切は事前固定(ATR×係数)
③ スワップ(長めに保有)
- 相性:AUD/JPY・NZD/JPY・USD/JPY
- 軸:金利サイクル順行の押し目のみ
- 注意:金利逆転&急落で即見直し
環境適合チェック(毎回20秒)
- 板の厚さ(流動性)は十分? 例:メジャー通貨、重複時間帯
- ボラ(1日の平均値幅)は戦略と一致? 高ボラ=利確早め/損切広め
- スプレッドは許容? 発表前後は拡大に要注意
- スワップ方向は追い風? “副産物”と割り切る
- 時間帯の癖は把握? 東京=円、欧州=トレンド、NY=イベント
1分で決める:ミニフローチャート
- 取引時間を固定(東京 or 欧州NY)
- 通貨は2つまで(例:USD/JPY+EUR/USD)
- 入口条件を2つ揃える(MA20/50+直近高安)
- 損切=直近安値外 or ATR(14)×1.2 を先に置く
- 30トレード検証→勝率・RRで継続/改良を判断
※ 上記は一般論です。条件は相場・業者で変わります。実弾投入前にデモ・少額で再現性を確認しましょう。
2. 主要ペアの性格(肌感まとめ)
主要通貨ペアの“性格”まとめ
| ペア |
流動性 |
ボラ傾向 |
スプレッド感 |
スワップ方向の一般論 |
向いている戦略 |
主な注意点 |
| USD/JPY |
非常に厚い(東京〜NY) |
中〜やや高 |
狭い時間が多い |
買い持ちで正、売り持ちで負になりやすい局面が多かった |
デイトレ/スイング/スワップ |
当局発言・介入リスク、米金利イベントで急変 |
| EUR/USD |
世界最大級(欧州〜NY) |
中(テクニカルが効きやすい) |
概ね狭い |
サイクル次第で買い/売り逆転しやすい |
テクニカル重視のデイトレ/スイング |
ECB・米指標の連続ヒットで往復ビンタ |
| AUD/JPY |
厚め(東京) |
中(商品/中国景気に敏感) |
中 |
買い持ちで正になりやすい局面が多かった |
スワップ+押し目買いスイング |
RBA/資源相場/中国ヘッドラインで切り返し大 |
| GBP/JPY |
十分だが上下に走りやすい(欧州〜NY) |
高(瞬発力大) |
やや広がりやすい |
買い/売りともに振れやすい |
短期デイトレ(利確・損切り事前固定) |
ボンド(英債)・英指標で“乱高下”常連 |
| NZD/JPY |
中(東京〜オセアニア) |
中(素直だが時々荒い) |
中〜やや広がる |
買い持ちで正の時期が多め |
スワップ+チャネル順張り |
RBNZのタカ/ハト転換でギャップ注意 |
※ 各社のスプレッド/スワップは時刻や相場状況で変動。実取引前に最新条件をご確認ください。
3. 目的別・おすすめの入り口
- 初めて/安定第一:USD/JPY or EUR/USD
→ 板が厚い/スプレッドが詰まりやすい/テクニカルが素直。まず「同じ時間帯・同じセットアップ」を反復。
- スワップ+中期:AUD/JPY / NZD/JPY / USD/JPY
→ 金利サイクルが味方の時は追い風。ただし金利逆回転時はスワップに目がくらむとトレンドに逆らいがち。
- 短期で値幅:GBP/JPY / GBP/USD
→ 1日の“移動平均値幅”が大きい。損切は固定(ATR×係数や直近高安外)で。

初心者くん
USD/JPYとEUR/USD、どっちから始めるべき?

くろちゃん
日本勢なら“情報が集まりやすい”USD/JPYが無難。テクニカル練習にはEUR/USDも◎
まずは「時間帯固定」「セットアップ固定」で“再現性”を作ろう。
| 時間帯(JST) |
主な特徴 |
向く通貨/戦略の例 |
| 東京(8:00–15:00) |
USD/JPYやクロス円が素直。指値厚め。 |
USD/JPYの戻り売り/押し目買い、AUD/JPYの押し目待ち |
| 欧州(16:00–24:00) |
トレンド発生源。ブレイクが走りやすい。 |
EUR/USDのトレンド追随、GBP系のモメンタム狙い |
| NY(21:00–翌5:00) |
米指標・要人で乱高下。欧米重複は出来高最大。 |
EUR/USD・GBP/USDの指標ブレイク、USD/JPYのイベント順張り |
4. 失敗しやすい“あるある”と回避策
- スワップ目当てで逆行握り → チャートのトレンドと逆なら建て玉を軽く。方針は「スワップは“副産物”」。
- 高ボラ通貨で損切後回し → 先に最大損失(円ベース)を決め、ATR×係数で逆指値を機械的に。
- 指標跨ぎの無意識ギャンブル → 経済カレンダーで“取引停止の時間帯”を先に決める。
5. くろちゃん流(暫定ルール)
- 練習兼ねての主戦:USD/JPYかEUR/USD
- 値幅で稼ぐ:取引時間を欧州〜NYに寄せ、GBP系は“資金に対する1回の損失上限0.5〜1%”を厳守
- スワップを添える:AUD/JPY/NZD/JPY/USD/JPYの押し目のみ。金利転換・大陰線で即再評価
- イベント管理:FOMC・CPI・雇用統計・日銀は「建玉縮小 or 休む」も戦略
6. よくある質問
- Q. どのペアが一番勝ちやすい?
A. “あなたの時間帯と性格”に合うペア。再現性が作りやすいのはUSD/JPYとEUR/USD
- Q. スワップ狙いは安全?
A. トレンドに逆らえば含み損が拡大しやすい。「スワップ<価格変動」の場面が必ず来る。
- Q. まず何から始める?
A. 通貨を2つに絞り、“同じ時間・同じセットアップ”で30トレード検証。数字で合否判定。
7. チェックリスト
ミニ・チェックリスト(保存版)
エントリー前に30秒で確認。全部チェックが付かない時は見送るのも勝ち方。
-
✓
時間帯を固定した?(東京 or 欧州NY)
毎回同じ時間にやると動きの癖が掴めます。
-
✓
通貨は最大2つまで?
例:USD/JPY と EUR/USD。迷いが減って検証もしやすい。
-
✓
入口条件が2つ揃った?
候補:MA20/50の向き/直近高安の更新/出来高の増加(うち2つ以上)。
-
✓
損切りは先に置いた?
直近の押し安値/戻り高値の外 or ATR(14)×1.2。金額で上限も決める。
-
✓
重要指標の前後は建てない/軽くする?
FOMC・CPI・雇用統計・日銀などはスプレッド拡大&乱高下に注意。
初心者向けヒントを開く
- 時間帯:まずは毎日同じ1〜2時間だけに絞る(例:21:30〜23:30)。
- 通貨2つ:癖を覚えるために3つ以上は持たない。
- 入口2条件:条件が1つだけなら“見送り”が正解。
- 損切り:エントリー後すぐに逆指値を置いて、動かさない。
- 指標:経済カレンダーに「取引しない時間」を先にマーク。
免 責
本記事は一般的な情報提供であり、特定の通貨ペア・売買手法の推奨を目的とするものではありません。スプレッドやスワップ等の条件は業者・相場状況で変動します。実際の取引判断はご自身の責任で行い、必要に応じて最新の約款・リスク説明を確認してください。