線は少なく、決断は速く。──「2本で勝ち筋を研ぐ」
画面にあるのはEMAが2本だけ(20日・80日)
余白が増えるほど、ノイズが消える。
なぜ「20日」と「80日」か
- 20EMA=短期の呼吸:1か月の売買リズムを映す“体温計”。押し目・戻り目の基準。
- 80EMA=中期の背骨:およそ四半期のトレンド軸。相場の“進行方向”を決める。
20が呼吸、80が背骨。呼吸が背骨と同じ向きなら、乗るだけ。
メリット(2本に絞る効用)
- 視界がクリア:判断材料が減り、エントリーが速い。
- 矛盾がない:短期(20)と中期(80)の関係だけで相場環境を定義
- ダマシ耐性:80EMAの傾きで“トレンド or 休む”を機械的に切替
- 再現性:どの銘柄・指数でも同じルールで回せる。
デメリット(落とし穴と限界)
- レンジに弱い:20と80が水平だとシグナルが空振りしやすい。
- 急変に追随が遅れる:急騰・急落の初動は取り切れない。
- 銘柄のクセ:ボラが小さすぎる/大きすぎる銘柄では最適性がズレる。
- 期間の固定リスク:相場フェーズ次第で最適日数は変わるが、あえて“固定して継続性”を取る。
欠点は“線を増やす”より“運用ルール”で補う。
攻略法(運用ルール:これだけ守る)
1) 相場判定(まず土俵を選ぶ)
- 上昇相場:20EMA > 80EMA かつ 80EMAが上向き
- 下降相場:20EMA < 80EMA かつ 80EMAが下向き
- ノートレ帯:20と80が横ばいで絡む(“触らない勇気”)
2) 仕掛け(押し目/戻り目だけ)
- ロング:上昇相場で、20EMA付近で陽線包み/下ヒゲ反発 → 翌日、高値越えでIN
- ショート:下降相場で、20EMA付近で陰線包み/上ヒゲ反落 → 翌日、安値割れでIN
- ゴールデン/デッドクロス直後は見送り。**“2回目の押し・戻り”**が本命。
3) 手仕舞い(機械的に)
- 含み益管理:終値で20EMA割れ(逆行)→半分利確
- 全撤退:終値で80EMA割れ(トレンド否定)
- 伸ばす技:終値が20EMA上を維持する限り“粘る”。線に当たるまで触らない。
4) リスク(数字で自分を守る)
- **1回の損失=口座の0.5%〜1%**に固定
- 分割エントリー最大3回(20付近→20と80の中間→80付近)
- 取引回数を減らす:ノートレ帯は“見るだけ”。回数で勝たず、質で勝つ。
セットアップ例(3つ)
- 20押しの陽包み買い:上昇相場/20タッチ→陽線包み→翌日高値越えIN
- 20戻りの陰包み売り:下降相場/20タッチ→陰線包み→翌日安値割れIN
- 80反発の二段上げ狙い:20>80で一度20割れ→80で陽線反発→20回復確認でIN
ルールは“価格×20×80”だけ。足し算より、引き算が勝ちを連れてくる。
レンジ対策(線を増やさず、行動で防ぐ)
- 80が水平なら“休場宣言”
- 20と80の間をうろうろ=建てない/建てても極小ロット
- 終値基準:ヒゲに振り回されない。判定は必ず“終値”
今日のひとこと(心のルール)
線は2本、判断は1秒、迷いは0秒
チェックリスト
- 80EMAは上向きか?(Yesならロングサイドだけを見る)
- 20EMAに近づいたか?(押し・戻りの兆し)
- エントリーは“翌日の高値越え/安値割れ”で機械化できるか?
- 20割れ半利確、80割れ全撤退──終値で実行。
- ノートレ帯では“書いて、待つ”(日記に条件を書いて終える)
おわりに
インジはEMA2本だけ。足りないのは線ではなく、決め方。
「見る→決める→従う」をシンプルに回せば、右肩上がりは静かに積み上がる。
明日も、2本でいこう。チャートを見返して何度も練習。毎回スクショして“再現できる場面”だけを集める。道具は少なく、記録は濃く。

