「何の知識もなく、投資信託を積み立てていくことが本当に良いのか?」
正直、“ほったらかし最強”という話は魅力的。
「投資しているのを忘れていた人が一番増やした」という有名なエピソードもある。
現金の価値はゆっくり目減りし、物価に合わせて株や金は長期的に上がりやすい。
毎日チャートに心を振り回されないのは、精神衛生にも良い。
——ここまでは、たしかに“正”だと思う。
1. それでも“最低限のスキル”は要ると思う理由
「狼狽は無知から、判断は知識から」
- 暴落時に自分を守る言葉を持つため。(PERが何か、分散の意味、ボラティリティの正体)
- 商品選びの地雷を避けるため。(高コスト・テーマ偏重・仕組債的リスク)
- “続ける力”を支えるため。(仕組みが分かるほど、不安で手を止めにくい)
2. 私の“最低限の武器”セット(ファンダ+テクニカル)
「丸腰で市場には入らない」
- ファンダ(最低限)
- 何に投資しているか:インデックスの中身、国・業種の比率
- コスト:信託報酬は“年率手数料=将来の確実なマイナス”
- リスク源:為替、金利、景気循環、集中度
- テクニカル(最低限)
- トレンドの向きを線で確認(移動平均の傾きでOK)
- 下落の普通と異常をざっくり把握(直近安値の更新・平均からの乖離)
- 使い方はシンプルでいい。「買い増しは下げ止まりのサイン後」「上げてる間は触りすぎない」
3. 積立の“強み”と“罠”
「自動は万能、でも盲目は危険」
- 強み:
- 時間分散(高値掴みリスクを薄める)
- 感情切り離し(一喜一憂を抑える)
- 複利(“時間×継続”が仕事をする)
- 罠:
- 商品選びが間違っていると、継続が逆効果
- 積立額が小さすぎる(将来像と逆算して調整を)
- “理由なき売買”の誘惑(ニュースに反応してルールを壊す)
4. 金融リテラシーとは“正体を知ること”
「不安の8割は“分からない”から」
- リターンの源泉=企業利益+インフレ+配当
- リスクの正体=価格の揺れ(ボラ)と自分の感情
- コストの意味=長期で確実に効く“逆複利”
- この3つが腹落ちすると、暴落=“セール”に見えてくる
5. あるべき投資スタイル(くろちゃん版)
「ルールが心を守る」
- 核は低コストの広範インデックス(国内外をバランス)
- 毎月自動で積み立て(“増額・減額”は年2回だけ見直し)
- 暴落時の行動表を先に決める(例:-20%で通常の1.2倍、-30%で1.5倍)
- 個別や金は“スパイス”(総資産の○%上限)
- 売却は生活設計から逆算(税・為替・リバランスの順に考える)
ひとことルール:「平常時は自動、非常時は手順」
6. 今日のメモ
- 朝、コーヒー片手に昨夜のマーケットを確認。
- 夜、米国雇用統計発表後のマーケットを確認。分かるほど、落ち着く。
8月米雇用統計はNFP+2.2万人・失業率4.3%と弱め → 利下げ観測が一段と強まり、米金利は低下
株式(米国):主要指数は小反落で引け(S&P500 −0.3%、ダウ −0.5%、ナスダックほぼ横ばい)。利下げ期待と景気減速懸念が綱引き。
為替:ドル安に振れ、対円・スイスフラン・ユーロで下落(ドル指数も低下)
金:史上高値圏まで上昇(3,580〜3,600ドル近辺)。“利下げ観測+ドル安”で強い。
暗号資産:ビットコインは発表後に乱高下し、足元は約11.1万ドル前後。早い時間帯の上昇を消す場面も。
総括:弱い雇用→「利下げ近い」思惑で、金↑・ドル↓。株は小反落、暗号資産は方向感に欠ける動き。
7. まとめ
「ほったらかすのは“感情”。ほったらかさないのは“判断”。」
積立の力を借りつつ、最低限のファンダとテクニカルで“続けられる自分”を作る。
それが、くろちゃんの答え。

