「資産運用を始めたいけど、まず何から?」という方へ。結論はNISAで“少額×長期×分散”の自動積立から。NISAは運用益(売却益・配当/分配金)が非課税になる制度で、年間360万円(つみたて120万円+成長240万円)まで投資でき、非課税保有期間は無期限です。さらに、生涯の非課税“総枠”は**1,800万円(成長投資枠は内数で上限1,200万円)**と大きく拡充されました。
引用元:金融庁
1. NISAのキホン(非課税・年間枠・生涯枠)
- 非課税になるもの:売却益・配当/分配金(通常は約20%課税)。NISA口座内は非課税。損益通算や損失の繰越控除は不可
- 年間投資枠:合計360万円(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)。制度は恒久化、非課税保有は無期限。
- 生涯の非課税“総枠”:1,800万円(簿価=購入金額で管理、うち成長投資枠は1,200万円まで)。売却すると翌年以降に売却した簿価分だけ再利用可能(※その年の年間枠に上乗せされるわけではない)。
引用元:金融庁
2. 2つの投資枠:つみたて投資枠/成長投資枠の違い
- つみたて投資枠(年120万円)
長期・積立・分散に適した一定の投資信託・ETFのみ(毎月分配型や信託期間20年未満、ヘッジ目的以外でデリバティブ活用などは対象外/ノーロード等の要件)。初心者はまずここを中心に。 - 成長投資枠(年240万円)
上場株式・ETF・REIT・(一部の)投資信託などが対象。個別株や高配当ETF等を組み合わせたい中級者向き。
補足:NISA口座は1人1口座。金融機関は年1回変更可。つみたて枠と成長枠を別の金融機関に分けることは不可
引用元:金融庁
3. 最短で始める手順(口座開設〜初期設定)
- 金融機関を選ぶ(ネット証券が低コストで商品数が多い)
- NISA口座を開設(本人確認・マイナンバー提出/開設費用は通常無料。1人1口座)
- 入金・積立設定(つみたて枠の商品と毎月額を決めて自動化)
- 配当金の受取方式を確認(株式配当を非課税にするには「株式数比例配分方式」に設定。投信の分配金は別途手続き不要)
- 目標資産配分をメモ(国内/先進国/全世界株式など)
4. 何を買う?商品選びの基準
- つみたて投資枠:
- インデックス投信中心(全世界株式、先進国株式、S&P500 等)
- 要件:ノーロード、信託期間20年以上or無期限、毎月分配型不可、低コスト 等(金融庁告示基準)
- 最新の対象商品一覧は金融庁のリストで確認
- 成長投資枠:
- 上場株式、ETF、REIT、一部の投信。個別株やETFで配当・テーマ投資も可能
引用元:金融庁
5. 月いくら積み立てる?家計ルールと目安
- まずは**生活防衛資金(生活費6〜12か月分)**を別に確保
- 余剰資金から固定比率で積立(例:手取りの10〜20%)
- 例:月1万円×年12万円=つみたて枠の範囲内。長期の時間分散で高値掴みのリスクを抑える。
引用元:金融庁
6. 初期設定チェックリスト
- 金融機関を選んだ(商品数・手数料・アプリ使い勝手)
- NISA口座を開設(本人確認/マイナンバー)
- つみたて枠の商品を決めた(全世界・先進国・S&P500等)
- 毎月の積立額を決めて自動化
- 配当金受取方式=株式数比例配分方式を確認(株の配当を非課税にする設定)
- 年1回の見直し日をカレンダーに登録
7. よくある勘違い&落とし穴
- 「売却したら枠がすぐ復活する」→誤り
復活するのは**生涯の非課税“総枠”**で、翌年以降に再利用可能。当年の年間枠(360万円)は増えません。- 「つみたて枠は合計600万円まで」→誤り
つみたて枠だけで生涯枠1,800万円まで埋める運用も可能(年120万円×15年想定)。- 「NISAの損は別口座の利益と相殺できる」→誤り
NISAは損益通算・繰越控除が不可。損失は“ないもの”とみなされます。- 「配当は自動で非課税になる」→一部は要設定
上場株の配当は株式数比例配分方式で受け取る設定が必要。発行体から直接受取などは課税。- 「口座は複数つくれる」→不可
NISA口座は1人1口座。年1回、金融機関の変更は可能。
8. よくある質問(FAQ)
Q1. 途中で売却してもいい?
A. 可能です。売却した簿価分は翌年以降に生涯枠へ復活。ただし当年の年間枠は増えません。Q2. 旧NISAの資産はどうなる?
A. 2023年末までの一般/つみたてNISA分は新NISAの外枠で従来どおりの非課税期間が適用。新NISAへ移管は不可Q3. 確定申告は必要?
A. 原則不要(NISA内の配当・譲渡益は非課税で申告不要)。ただし、課税方式で配当を受け取った場合などは別途取り扱いあり
9. まとめ
- NISA=非課税で長期の資産形成を後押し(年間360万円・生涯1,800万円、保有は無期限)
- 最初の一歩は「つみたて枠×インデックス投信×自動積立」+年1回の見直し
- 次にやること:
- 金融機関を選ぶ→2) NISA口座開設→3) つみたて商品と毎月額を決める→4) 配当受取方式を“株式数比例配分方式”に
免 責
本記事は一般的な情報提供であり、特定の金融商品の勧誘ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。内容は執筆時点の情報に基づき、正確性・完全性・将来の成果を保証しません。市場環境や制度・税制、手数料等は変更される場合があります。最新情報や各商品の詳細は、金融庁・国税庁・各運用会社などの一次情報をご確認ください。

